記憶
記憶について
記憶についてのメモです。H.M
H.Mさん、典型的な側頭葉てんかんの例大脳皮質の一部である側頭葉のすぐ内側に存在する海馬から、てんかんが始まっていた。
→両側の海馬とその周辺を広範囲に取り除く手術をした。
→重度の記憶障害が起こった。
海馬
記憶を頼りにあれこれ思いを巡らせている時、海馬の神経細胞は非常に活発に働いている。海馬の神経細胞の役割は、「記憶情報の管理」である。
様々な情報を収集し、それを統合したり取捨選択したりする記憶の司令塔として働いている。
構造と神経回路
海馬には、2本の筋がある。1つは、アンモン角
アンモン角の神経細胞はピラミッドのように尖った三角形をしているので「錐体細胞」と呼ばれている。
もう1つは、歯状回
歯状回の神経細胞は小さく丸いコロコロした粒状なので、「下流細胞」と呼ばれている。
海馬では、神経信号の入口と出口がはっきりと分かれている。
入口の役割は歯状回で、出口はアンモン角(CA1-CA3)というように信号のやりとりをしている。
側頭葉から来た情報は、海馬をくるりと一回りして、再び側頭葉へ戻っていく。
神経細胞が鍛えられて数が増えるとうい現象は、歯状回に特有のもの
海馬の中で増殖する能力を持っているのは、歯状回の顆粒細胞だけである。
神経生物学者 ラップ
老化によって記憶力が低下したネズミでは、歯状回のシナプスの数が半数程度にまで減っていることがわかっている。歳をとっても記憶が低下していない元気なネズミでは、若いネズミと同じ程度のシナプスを保持していることもわかっている。