記憶2
記憶の枠組み
情報を憶え込む「記銘」それを保存しておく「保持」
あとでそれを思い出す「想起」
想起に失敗することは「忘却」と呼ばれる。
記憶の種類
記憶は、大きく分けて、「短期記憶」と「長期記憶」がある。短期記憶
一時的に数個程度の情報を保持する、必要なときに必要な分を一時的に保持する。30秒から長くても数分程度までの記憶のことである。
情報が失われないような努力をしない限り、短期記憶には数十秒しか情報を保持することができない。
読書の際に頭の中で、“黙って言葉にする”ことからもわかるように、短期記憶の情報は主として音声的に符号化されている。
短期記憶では一旦、音声的な形式で符号化されていることを示している。
長期記憶
短期記憶のその時間を超えた長い記憶半永久的に大量の情報を保持する。
メモ
ワーキングメモリー
ワーキングメモリとは、本を読んだり暗算したりと言った「何かの認知的な作業を行いながら、そのために必要な情報を一時的に保存する」際に働く動的な記憶システムであり、短期記憶と違って認知的な情報処理も包含したモデル。宣言的記憶
宣言的記憶は、「海馬依存性の記憶」という言い方がされている海馬摘出の事例
数時間前のことは忘れてしまうが、数分前のことなら憶えていられる。
- >宣言的記憶、特に短期記憶は、長期記憶に変えて行くプロセスに海馬が関与することがわかっている。
海馬は、宣言的記憶の長期的な貯蔵場所ではないこともわかっている。
プライミング効果
プライミング効果は、意識的な想起をしていないとはいえ、学習した単語を潜在的には記憶していることを示している。
直前に取り入れた情報、あるいはそれに関連する情報は、記憶の中から取り出しやすくなり、意識にのぼりやすくなるという現象
脳は、何かがただ目に入っただけでも、自動的に、それについて、あるいはそれに関連するものについての記憶を使いやすい状態にする。
記憶されている情報の中には、状況によって、取り出しやすいものとそうでないものが生じる
このプライミングは、本人が、その単語や絵、音などに触れたことを意識の上では忘れていても、あるいは触れたことに全く気づいていなくても起こり得るということだ。
本人が意識の上では憶えていない、あるいは自覚していない記憶のことを心理学で「潜在記憶」と呼ぶ。
「見覚えがある」、「知っている」という認知のメカニズムが、脳のどの部分に存在しているかについては、候補として、「海馬傍回」などがあがっている
coffee break?
カフェインは、ドーパミン作動系を通じ、皮質か(大脳皮質の内側)の「側坐核」と呼ばれる部位を刺激するドーパミンを扱うニューロンは、記憶、運動、注意、動機などに関連する部位に分布している。
参考
認知心理学 -- 知のアーキテクチャを探る 新版 (有斐閣アルマ)